2013年4月30日火曜日

4月まとめ

・FD/FI(GCv)
ずっと使っていたDB-1HTでGCFIを行うとクロマトがテーリング気味だった.
エミッターの焼き出しが不十分だと考え,焼きだし時間を長くした.
これに合わせて,スペクトル記録間隔(積算間の待ち時間)を長くした.
同じGCの条件でGCEIを測定すると,同様にテーリング気味だった.
カラムを変えてDB-17HTにしてもテーリング気味で,注入口を疑った.
注入口ライナー,金シールが目に見えて汚れていたため,交換した.
それでも改善しなかったことから,カラムが劣化していると判断した.
ある濃度より下がるとテーリングだけでなく,極度の強度低下があった.
カラムが劣化しているとすると,この強度低下も説明が付く.

極性の高いrutinやsucroseを高温(80℃)で測定したが,
フラグメントの量は変わらなかった.
NaIを添加するとフラグメント化を抑えることができたが,
[M+2Na+I]+も弱いながら出た.

DB-1HT(0.25mm,30m)の注入口側を外して,
末端をサンプルチューブにかざすことでヘッドスペースの測定を試みた.
CHCl3は問題なく測定できたが,
mentholは一向に出てこず,カラムをオーブンで加熱する必要があった.


・MALDI(Voyager)
分子酵素から基本的な使用法を教わり,その後,試薬を測定してみた.
基本的には希釈した溶液をエッペンで混合して,そこから1ul未満をスポットした.
ピペットマンP20は最少で2ulしか量れないため,2ulの設定で軽く押すようにした.
サンプル量が少ない場合は,ulレベルの溶液をパラフィルム上で混合して,
そこから一部をスポットした.

分解能はレーザー照射の仕方によって大きく変わった.
照射位置をずらしながら積算していくと,
常に新しい結晶を使えるため強度は出るが,ピークがブロードになり,分解能が落ちる.
ある地点を照射し始めてしばらくは爆発的にイオンが出る.
このときもピークが若干ブロードになり,分解能が落ちる.
数スキャン空打ちしてから積算を始めると安定したピークが得られ,分解能が上がる.

ダマになった大きな結晶を使うと,3Daほど小さく出た.
大きな結晶だと強度が出やすいが,使ってはいけないようだ.

default calibrationを用いた場合,
m/z 1000程度ではどの条件でもずれが1Da未満だった.
m/z 5000程度では条件によっては10Da以上ずれていた.

PEGを測定してキャリブレーションに使おうと試みた.
PEG3350まではうまく測定できたが,PEG6000は弱く,また,ベースライン分離しなかった.
m/z 4000弱まではキャリブレーションに使えそうだった.
ペプチドに比べて強度が出にくく,照射位置を固定して十分な強度を得ようとすると,
大きめの結晶を使うことになってしまう.
大きな結晶を使うと前述のように横軸がずれるので,キャリブレーションに適さない.
間隔の広い混合物を使うと,生成するイオン量が同じ場合に各ピークの強度が上がる.
質量ベースで炭素の割合が低いほどモノアイソの相対強度が高くなる.
モノアイソの相対強度が高いものを用いて,モノアイソでキャリブレーションをしたい.

同位体分離していないと重心値の算出と正しい計算値の算出が難しい.
同位体分離しておらず左右非対称の場合,その重心値をどう扱えばいいのかわからない.


ピペッターを使わず,ピペットキャップを使うと
キャップを押しすぎて噴き出す場合がある.
ピペッターを使っている限り,空気を吐き出す心配がない.

エアコンの設定を変えると,ピークがとても弱くなった.
以前の設定は冷房,22℃,風速強だった.寒かった.
試しに冷暖自動,24℃,風速自動にしてみた.暑かった.
結局,冷房,22℃,風速自動にした.
次にメンテナンスがあるときに室温を(冷房,24℃程度に)変更することにする.


・持ち越し
SXで測定中にQ1,2がずれる.

GCvでFDの測定時にデフレクタバランスがずれる.
 サンプルを載せるときにワイヤーが動くのか
 カソード電圧のOFF→ONで動くのか
 たるみのないエミッターにすることで回避できるか
  EIのフィラメントと同様に,初めて電流を流すときに穏やかにするとどうか

HP-5でテーリングが起きるか確認する.

FDでフラグメントが強いサンプルをMALDIで測定してみる.
 ヘテロ原子の少ない低極性化合物
  ラジカルが発生しないため,フラグメント化を防げると期待

MALDIでキャリブレーションに使える糖,ペプチドを探す.
 三糖の繰り返しで約500Da刻みになるpullulanはどうか
 キャリブレーション作成時と異なる条件(レーザー,マトリックス,測定範囲など)でのずれ